大容量PCR製造プロセス


大容量PCRシステムとは?

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PCRを大容量の反応液で行うと,どうしても高速温度制御が困難となります。

当社はサンドイッチ型のペルチェで薄いプラスチック反応バッグを挟むことで効率的な温度制御を可能にしPCRの大容量化の扉を開きました。

また,Helix DNA polymeraseは,温度安定性が高く,高い正確性を示します。

市販のPlasmid DNAに近いエラー率のDNAを増幅可能にします。



大容量PCRがこれまで開発できなかった理由

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  1. 温度制御
    大容量の反応液では、変性→アニール→伸張の3つの温度を高速かつ正確に温度制御することが困難です。

  2. コストが高い
    一般に市販されているPCR酵素は高額なため、PCRで生産したDNAはコストが高い傾向がある。

  3. エラー率
    通常PCR産物のDNAは、大腸菌増殖で生産したプラスミドDNAに比べて、エラー率が高い


従来のPCR

Conventional PCR

High-speed temperature control is required to shorten the high temperature time.

大容量PCR

Large-scale PCR



サンドイッチ型PCR

大容量PCRの実現

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  1. 大容量PCR用のヘリックスサーマルサイクラーで、大容量の反応液を精度良く温度制御する技術を確立(特許)

  2. 高額な酵素を当社独自の酵素製造技術により価格競争力を実現(Helix DNA polymerase、2×HC buffer)

  3. 校正機能付きDNA polymeraseで、既存の小容量PCRと同等のエラー率。また、high fidelityで知られる酵素ともほぼ同等のエラー率を実現(次世代シークエンス比較)

次世代シークエンスによるDNAポリメラーゼの比較

最適条件下で増幅した

PCR-DNAの変異率

市販DNAポリメラーゼ(世界最高の正確性を有する)0.14%
Helix DNAポリメラーゼ0.14%

※イルミナ株式会社のNextSeq 500で解析

Next generation sequencing
Next generation sequencing
Next generation sequencing


DNAを作る

DNAを作る

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伝統的に、DNAは大腸菌培養で製造されます。プラスミドDNA(pDNA)を製造するこの方法は、速度、安定性、コスト、容量、拡張性の点、また、収量が少なくなるトランスポゾンの問題、プラスミドコンカテマ―の発生などの問題もあります。

pDNA製造の代替として、我々は大容量でのPCRシステム製造を開発しました。
制限的な生物学的アプローチから離れ、代わりに酵素生化学を使用することで、シンプルにDNAを作ります。プラスミドに含まれる抗生物質耐性遺伝子等の細菌由来配列の必要性も排除しました。




 

Rapid

Rapid

10 mL PCRでmg のDNA生産が数時間で可能

Scale

Scale

200 mL PCR一回で100 mg以上の実績



Cost

Cost

大腸菌の培養、大腸菌集菌・溶菌
デプスフィルターは理論上不要で
大容量PCRシステムで代替可能

Accurate

Accurate

校正機能付きのHelix DNA Polymeraseで
正確性を確保

大容量PCRシステムによる製造のタイムライン
pDNA製造よりも5倍以上速い
弊社独自の大容量PCRのDNA製造技術により、従来の大腸菌発酵法を使用したプラスミドDNAの作製には数か月かかりますが、数時間でmg DNAの作製が可能になります。

大容量PCRシステムによる製造のタイムライン

50days

VS

プラスミドDNAによる製造のタイムライン

270days




DNA製造に革新をもたらす大容量PCR

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大容量PCRシステム はどのように大量生産しているのか

弊社独自の大容量PCRのDNA製造プロセスにより、ベンチトップの装置を使用して数mgのDNAを数時間で迅速に製造できます。

さらに数百mgのDNAの受託製造も行います。

この技術で、電子計算機が大型計算機からPCになったように、DNA製造現場が培養タンクを並べた工場から卓上の大容量PCR装置に置き換わります。


①PCR


変性→アニール→伸張の温度サイクルを利用し、特定の配列だけを短時間で増幅します。


②精製


混合物は、カラムクロマトグラフィーと緩衝液交換を使用して、低分子量不純物と酵素を除去するために部分的に精製されます。

※準備中


③製剤化と試験


大容量PCR作製DNAは、最終的に製剤化、濾過され、層流下で分注され、出荷前に品質検査されます。

※研究開発用途を除く

大容量PCRで増幅したDNAはどのように利用できるのか
遺伝子工学に革新をもたらす
PCR 増幅された線状 DNA は、当該エンハンサー試薬を使用することにより、 哺乳動物のトランスフェクション実験に適用できます。 ご興味がありましたら、お問い合わせください。(有償サンプル提供可能)

知的財産とその現状

特許第6858368号「サーマルサイクラー」
国際公開番号WO2022/118487「核酸の増幅方法及びサーマルサイクラー」
国際公開番号WO2011/114678「哺乳動物細胞への遺伝子導入効率の向上剤」